社会問題の時事コメント1

 世界遺産についての記事を4本ほど書いてきたが、そろそろ他のことについても並行して書いて行こうと思う。

 ということで、今回のテーマは

      「人口減少・少子化です!

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(出所)RESAS

 これは2015年の都道府県ごとの人口増減率を表したものである。青い地域は人口減、オレンジの地域は人口増である。7都県以外は人口減であることが分かる。

 

 驚くべきは、3大都市圏の1つである大阪府でも人口減となっていることである。東京、名古屋、福岡に人口が集まっており、改めて東京一極集中になっていることがうかがえる。

 

 ただ、私の考えとしては、一部地域に人口が集中することはよくないと思うが、人口が減少していることは悪いことだとは考えない。

 

 というのは、人口増加が引き起こす問題の方が重大だと考えるからだ。

 世界的に見れば、世界の総人口は増加傾向にあり、今後もその傾向が変わることはないと思うが、その結果、人間の居住域を広げるために自然環境を破壊し、便利さを追求するがゆえに地球温暖化が進み、食糧危機なども起きる。

 

 もちろん、これらの問題を単に人口増加のみに起因するのは短絡的だとは思うが、一つの要因であることは間違いない。

 

 そんな中で、日本は意図的に人口を抑制しているわけではなく、自然と人口減少の方向へ進んでいる。これは、決して悲観的な現象ではない。

 

 人間が減ることで、1人当たりの労働が増加する、という人もいるだろうが、その大半は技術的に解決していけるはずである。人がたくさんいれば人に頼るが、少なければ人以外に頼るようになる。そうすれば、1人当たりの労働の質が高まり、ひいてはQOLの向上にもつながるのではないか。

 

 日本では過去に、何度か自治体の大規模な合併が行われてきた。それによって自治体の範囲が広まり、自治体あたりの抱える住民も必然的に増加した。しかし、それによって従来のような親密な人間関係や自分たちのまちを自分たちで変えていくという意識が希薄になってきたのではないか。

 

 少子化が進むと、より少人数の洗練されたコミュニティが形成される。そのコミュニティ内では、ひとりひとりが意識を高めて行動しなければ、コミュニティ自体の存続が危ぶまれる。

 

 ゆえに、少子化は一人一人の意識を高めやすい環境にシフトするチャンスであると考える。ただし、これが東京のように一つのエリアに固まってしまってはあまり意味がない。地方に分散し、それぞれが独自性をもって多様性が生まれることで、日本と日本人の意識は新たな段階へシフトしていくのではないか。